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2011 年10 月25 日

浜田簡裁 交通調停

今日は、交通事故の調停で島根県の浜田簡易裁判所まで出張。 新幹線で広島駅まで行って、そこからレンタカーを借りて浜田へ。被害者のご実家が浜田にあるので、そこで打ち合わせをしてから裁判所へ行った。お宅までうかがうと、そこに被害者の生活の面影がそこここに残っており、被害者の生活史、生活ぶり、夢、被害者とご遺族との関係、ご遺族の被害者に対する思い、兄弟姉妹の仲の良さの片鱗が感じられた。事務所での打ち合わせでは感じ取ることのできないものがそこにある。それが、わざわざ調停まで申し立てる原点になっている。弁護士になって日常的に業務をこなしていると、ついつい見過ごしてしまうものを改めて再発見した。 それに対して、相手方の損保会社・代理人の態度の冷たさ。被害者とその遺族を、人としてみるのではなく、ただの保険金額の多寡でみるその姿勢。お金では人の命が返らないのに、農業所得者の平均年収は農水省の統計資料では年30数万円の所得にしかならないから、それでも申告収入額より多いのだから、それで逸失利益は計算するので我慢せよという。交渉術としては「正しい」のかもしれないが、交通事故で人を死なせておいて、さらに保険金額の交渉でさらに人の生活を踏みにじって、それで安上がりで終わればいいのだろうか。 「田舎弁護士」はいつまでも都会にはなじめない。でも、都会でなくても、「田舎弁護士」はどんどん生息地域は狭くなっているようだ。

投稿者:ゆかわat 22 :32| ビジネス | コメント(0 )

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